世界最大級の東京電力・柏崎刈羽原発(2012年から運転停止)の6、7号機再稼働の動きが加速するなか、「再稼働判断に県民の明確な意思表示を」と全県で行っている県民運動「柏崎刈羽原発再稼働の是非を県民投票で決める会」。県民投票条例制定を県議会に直接請求するのに必要な「署名3万6400人」を上回り、現在33市区町村で「14万筆」を突破している。目標の20万筆には届いていないが、同じ条例制定を求めた13年前の約6万8千人署名を大きく上回り、県議会の判断が注目される。妻有地域では独自目標『署名1万人』を掲げ、両市町署名は『9110人』(達成率91%)で、内訳は十日町市『7315人』(同86%)、津南町『1795人』(同121%)で、独自目標に対しての達成率は県内トップクラス。「原発再稼働に自分の意思を反映させたい住民の思いの表れ」と関係者はみる。署名は柏崎市、刈羽村、南魚沼市、魚沼市の4市村が継続中で、来月1日までに終了。署名は各市町村選挙管理委員会の審査を受け、3月18~19日に県に署名簿を提出。4月7~8日に臨時県議会に図る見込みだ。
2025年1月11日号
〇…郷土の味を知り、さらに子どもたちにも調理体験を通し食べるものを作る喜びを知って貰おうと昨年から始まった「妻有のごっつぉ~探求会」(南雲留里子代表)。農村地域生活アドバイザーで、郷土料理集『昔なつかし 津南のごっつぉ』(2010年刊)発刊にも携わった阿部和子さん(69、美穂)を講師に食探求会を継続。第3回は先月21日に町総合センターで開き、阿部さんが作った煮なます、奈良漬など試食。子どもたちは米粉ピザづくりに挑戦するなどし、料理交流した。
2025年1月11日号
「自分は何をしたいのか…、生きるとは…」、その自問自答から見出し、進んだ思想や哲学、心理学の分野。学んだ同志社大神学部で出会い、クリスチャンに。
「保育園も幼稚園もキリスト教の教えから始まりました」。昨年4月、日本基督教団・十日町教会に赴任し、牧師と共に併設の十日町幼児園園長を務める。人の誕生から人の最期まで向き合う。「両親も親戚にもクリスチャンはいなかったんです。これも巡り合わせですね」。
宮城・仙台市生まれ。高卒後の予備校時代の講師の言葉で考えた。『勉強のモチベーションを1年間維持するには、自分が何をしたいか、どうなりたいのか、それをしっかり考えることが大切』。このアドバイスが心に響いた。
「目標を2つ持ちました。実学ではなく思想や哲学、心理学を学び、国際的に活動したいと」。進んだのは京都の同志社大神学部。決め手は大学紹介資料の言葉だった。『世界では宗教を信じる人は多いが、日本は無神論の人が多い。グローバル化していく世の中で、国際的に活躍したいなら宗教的素養や知識は不可欠で、神学部は専門的に学ぶことが出来る』。
頭では分かっていたが、その光景を目にして「宗教」を体感。入学式早々、神学部だけ始業礼拝。「初めての教会、礼拝の独特な雰囲気、讃美歌や主の祈りを皆が一斉に唱えだした時、わぁー宗教だーっ、これから大学生活どうしよう…。実は本気で後悔したんです。今では笑い話ですが」。
講義が進むなかで、若く親しみを感じていた講師の授業。「キリスト教と社会福祉の講義で、保育園も幼稚園もキリスト教の教えから始まったなど歴史を学び、興味が増してきたんです」。だが、その講師が突然死去。「人を救い、支える宗教」に疑問を抱く出来事だった。
転機は大学3年の時。「リーマンショックで一気に就職氷河期に。一般企業に就職をと活動しましたが全く決まらなくて」。
再び自分と向き合う時間に。「生きるとは…、長い歴史の中で考えてきたのが宗教と思った時、私には教会がある、その時からです」。大学4年の夏、毎週日曜礼拝に教会へ通った。
礼拝説教の言葉がストンと胸に入った。『日本では年間2万人余の人が自死している。人生は思い通りにいかないことが多いが、思い通りにいかない人生の中で、神に支えられ、それぞれが人生を全うした証拠が聖書には書かれている』、さらに『私たちが聖書を読み、聖書を信じるのは、必ずしも思い通りにいかない人生で、困難を生き抜く力をいただくためではないか』。その年のクリスマスの日、洗礼を受けクリスチャンに。
その後、同志社大大学院へ。教会に住み込みで働く。教会には幼児から高齢者まで多くが集まる。「人の誕生から最期まで関わることってすごいと、牧師になる決意をしました」。
千葉教会では牧師助手の伝道師。その頃、大学時代に出会った妻と結婚。3年後、牧師として愛知・豊田教会、千葉・四街道教会など赴任。教会礼拝に訪れる人の人生と共に歩む。「結婚や出産など、皆さんが人生を歩む姿と共に私があり、共に喜びを感じます。人生の最期を向える家族と共に悲しみがあり、少し手助けができれば私の存在の意味があるのかなと思っています」。昨年4月十日町教会へ。1歳の娘と小3の息子、妻の4人で移住。
十日町教会赴任の橋渡しは前々任の新井純園長からの声掛け。「家族で雪堀キャンプに来たことがあり、雰囲気の良さと保育園がある教会でしたから、ここだと決めました」。
山登りが趣味。「自然豊かで美しく、子どもが大きくなったら一緒に山登りがしたいですね」。親しみある教会をと、分かりやすい言葉掛けを心がけている。人の一生に間近で向き合う日々。十日町幼児園は「子ども第一ですね。その良さを強みに伸ばしていきたいです」。
▼バトンタッチします。
大津富士夫さん
2025年1月11日号
例年、年末年始で帰省してくる人が持って来るといわれているインフルエンザが12月になるや否や大流行となり、年末からは新型コロナ感染症が流行中です。皆さん元気に新年をお迎えでしょうか。明けましておめでとうございます。新年第1回目の今日のお話は「潤いと健康」についてです。
実は私、エアコンの風が苦手。冷房も暖房もどちらもです。最近の良いエアコンは「快適設定」なんていう素敵なAIモードがあって、そのときどきで過ごしやすい温度や湿度に保ってくれるようですが、どうもエアコンをつけっぱなしにしておくと空気が乾燥しすぎて、すぐにのどの痛みに繋がって風邪を引いてしまうのです。
成人の体の55~60%は水分で出来ています。水分不足になるとからだにさまざまな不調の症状が出てきます。鼻やのどの粘膜の乾燥が起こると、粘液が少なくなり、粘膜の表面で、異物を吐き出すほうきのような役割の線毛の動きが弱くなってしまうため、ウィルスや細菌がうまく体の外に排出できず風邪を引きやすくなるといわれています。
私は小さい頃から慢性鼻炎のために口呼吸がクセになってしまっていること、年齢的にもややドライマウスの傾向があるので、特に気をつけてのどを守っていかないとのどの粘膜を傷つけて風邪を引いてしまいます。どうしてもエアコンをつけっぱなしにしないといけないような状況では、寝る時でもなるべくマスクをして加湿に心がけます。
つまり、風邪を引きたくなければ、まずは粘膜を強くする食べ物(コラーゲンを含むもの)を積極的にとり、そしてこまめに水分補給をして粘膜を潤わせておくことが大事というわけです。
冬は汗をかかないため、なんとなく水分をとることをおろそかにしてしまいがち。でも、厚着のために思ったより汗をかいていたり、常に暖房の効いた環境に身を置いていることが多いので、案外脱水している人が多いように思います。「のどが渇いた」と感じたときには、すでに必要な体内の水分量が2%も不足している状況と知っていてくださいね。
また、1日に飲み物から取ってほしい水分量は「体重×40~50㎖」といわれています。特に高齢の方の水分不足は免疫力の低下だけでなく、脳細胞の機能を落とし、認知能力が低下することや情緒不安定につながったり、最悪の場合、血液が濃くなって固まりやすくなることで血管の中で血栓を作り、脳梗塞や心筋梗塞につながり命に関わる事態を引き起こす可能性があります。できたら寝る前と起床時には水分を取っていただきたいものです。
水は飲むと2分で全身を巡ります。トイレに行ったらその分の水を少し口に含んでもらうと良いのかな、と思っています。ペットボトルなどをベッドわきに用意しておくのが良いかもしれませんね。ただし、ペットボトルの中身は、お茶などの利尿がつく飲み物ではなく「水」をご用意くださいね。
そうはいっても寝る前に水分を取ると夜中にトイレに何度も行くようになって困る、という方は、投薬治療や座って治す器械などもあります。ぜひお気軽にご相談くださいね。(たかき医院・仲栄美子院長)
2025年1月11日号
大雪の屋根掘りを栄村救助員の方に助けてもらって、脳梗塞後、自身の状態を東京の従兄弟達に伝え、今後、何時会えなくなるか分からないので別離の挨拶をしに出た。
移動しながら見る、東京あたりの電車のほぼ90%の乗客はスマホを手にして動画を見ていたようだ。なかには画面を両指で叩きながらドアの閉まる間際に車両から降りる人もいた。度々東京には出なくなったせいもあるが、出る度に都会の人たちの性向が過激になっているように感じた。多分スマホを手にする時間が増え、その分、電子機械に馴染んでくるのだろう。
しかし今では髪の白い老人も、綺麗に和服を着た奥様も、みんなスマホに視線を落としている。もっともパソコンを使い始めて10年以上経って、「こんなの分かるものか!」と匙を投げていた60歳だった私も、分からないなりに人差し指一本でキーボードを叩いている。
もちろん、分かっているのではないが指を動かしながら、間違いながら年賀状もできるようになる。あれだけ嫌がっていたのに、時間がそれに慣れさせ、受け入れざるを得なくさせたのだ。今では分からないまま新聞を拡げるように付き合っている。
秋山郷でトイレ用の落とし紙などない頃の話だから70年以上前になるのだろうが、新聞も届かない時はシダ類の山取りゼンマイを冬になる前に取って、玉にして冬の便所で使う落とし紙代わりにしていたという。相当の量で子供の仕事だった。
春に若芽は食用にするからか(カクマ)と呼んで区別していたのかも知らん? 春近くなるとそのカクマの玉も乾いて便が手に付いたりして嫌なものだったという。すると、そのカクマの玉は荒縄に代わっていき、僕の子供の頃になって便所には新聞紙が手のひらサイズに切られて、便器の脇に置かれてそれを揉んで使っていた。柔らかい落とし紙になったのは多分10歳くらいの頃だろう。
スマホと落とし紙を一緒に論じては申し訳ないが、何だってそうですが、そこで暮らして慣習が嫌だと思いながら、慣れてしまうもののようです。思えば時代が進むと今までのものが、ご破算になって変わっていき、新しい道具や器械に慣れるしかないのでしょう。
今では固定電話は消えつつあり、携帯電話も少なくなりパソコンだってそのうち無くなるだろうし、wi-fiも日本全国で普通に使えるようになる。列車の改札も切符も無くなるというのだし、むかし携帯のメールが打てず苛立ってぶち投げたこともあった私の思い出が、笑い話になるまでの時間は、時が進むにつれ、どんどん短くなるようだ。ただカクマの落とし紙が延々と続いて無くなるまでの時間と、今の携帯電話の消滅との対比に慣れるか、慣れずに超老人になるかなのだろう。
これからもどんどん新しい物に囲まれて、今の若者も中年、老人になる事だし、そのうちに宇宙の住宅が売りに出される日もあるのだろう。でもそんなものに気を使わず放っているうちに、驚いたり呆れたり間違いながらも、慣れていくのだろう。
ただ、今ようやく賀状がPCで打てるようになった者として、年賀状じまいなどしないで100枚を目標に師走の25日までにちゃんと投函して、郵便局がそれで利益を出した時代があったのだから、局が潰れるまで元旦の年賀状を届ける義務があると思う。届かない時は、局に文句を言い続けることにする。それが国の時代を越えた仕事の責任なのだから。
2025年1月11日号
雪国の生活で驚いたことはどんなに雪が降っても学校は休校にならないし、電車もバスも普通に動いていることだ。東京で10センチの降雪があれば公共交通のダイヤは乱れ、更に降り積もれば物流も何もかもがストップする。
ただし、この地域の公共交通機関は30センチ降ったところでいつも通りの運行を行っている。それは本当にすごいことだと思うし、公共交通を担う各社の仕事には感謝と尊敬の念しかない。
特に冬の飯山線は日本でも過酷な路線の一つだと思う。線路脇は雪壁ができ、雪庇がせり出し、線路には雪が降り積もる。
そこで力強い味方は線路除雪のロータリ車だ。路線を一時運休にして道路と同じように雪を巻き上げ積もった雪をあっという間にきれいにしていく。
道路除雪とは一味違った重厚感と車両が駆け抜ける風景は豪雪地の力強さを感じる一面である。
今年は青森に大雪を降らせているようだが、どんな寒波が来ても安心して生活できるこの地域の冬は、未明から除雪をしてくれる方やその関係企業の人たちによって支えられているんだなぁと除雪車を見かけるたびに思うのでした。
2025年1月11日号
有効署名数の4倍近い思いが集まっている。柏崎刈羽原発再稼働の是非を問う県民投票を求める署名運動の集計が7日公表され、市町村選管で署名簿審査が行われている。有効署名3万6千を上回ることは確実で、「県民投票で決める会」は3月中旬までに有効署名を基に花角知事に県民投票条例制定を直接請求する。知事による条例案提案を受け、県議会は4月中の臨時県議会で採決することになる。
2ヵ月間取り組んだ署名活動。だが柏崎市など4市村は来月1日まで続ける関係で、知事への直接請求は3月になる。請求を受け知事は意見書を付け、県民投票条例案を県議会に提案する。
柏崎刈羽原発再稼働の是非を問う県民投票条例制定を求める運動は2012年にも行われた。だが県議会は条例案を否決した。当時の署名を大きく上回る県民の強い思いを、県議会・県議はどう受け止め、採決に臨み、賛否を下すか、最大の焦点になる。当時の県議会で自民代表で述べた尾身孝昭県議の姿がTVで流れている。『原発事業は国策であり国が責任を持って判断すべきこと』と論点すり替えしている。今回、この論理は通用しない。全国の原発で再稼働論議の判決が出ており、再稼働では地元同意が最大の判断要素になっている。それだけに地元県議会の採否には、重大な責任が伴う。
署名運動で関心が高まる原発再稼働。年末から年始にかけて、当事者たる県議の挨拶言葉からは原発の言葉が消えている。意識の裏返しだろうが、4月の臨時県会まで時間がある。どうだろう、県議自ら住民の声を聞いては。
それとも、県民・市民・町民が地元県議への直接行動で「再稼働、どう思いますか?」と詰め寄ることもできる。幸い、尾身県議も小山県議も、魚沼エリアの県議も、事務所を構えている。「おじゃまします」と、新年挨拶がてら、訪ねてみてはいかがか。
2025年1月11日号
現職の態度表明がまだないなか、十日町市長選(4月20日告示、27日投票)は新人が先行する形で動きが始まっている。現職で4期の関口芳史市長(65)は、市議会12月議会で関連質疑の中で「市固有の歴史遺産を国内外に積極発信し地域総がかりのまちづくりに取り組む」と市政への積極姿勢を見せている。一方、三度目の挑戦となる樋口明弘氏(76)は昨年4月に出馬表明し、前回までの政策を中心に人から人へと繋げる活動を進める一方で、今年6月末に水利権が満了するJR東・宮中取水ダムの水利権更新への取り組み姿勢を明確にし、「発電の地元還元」を前面に打ち出し、市長選の争点化をはかっている。注目は現職・関口市長がどのタイミングで進退表明するかだ。4年前の前回は原発事故対応などの対処問題などを理由に表明時期を2月まで引っ張った経緯があり、今期の進退表明はいつするのか、市民の関心が集まっている。
2025年1月4日号
〇…9年前の閉校以来、久しぶりに全教室が開放され、子どもたちの声が響いた。2015年に閉校した津南町立外丸小学校。廃校利用の一環で2年前の2023年1月にIT交流施設「外丸集学校」としてプレオープンするなか、初の全教室を使った交流企画「とまるしぇ@外丸集学校」は15日開催。かつて子どもたちが学んでいた教室棟で、ハンドメイドアクセサリーやデコスイーツ、手作り香水など体験、さらに手づくり品販売、ギター教室、子どもと大人向けマネー講座など24店が展開。閉校後に教室棟を全面的に使った初のイベント。多くの地域住民が訪れ「懐かしいね」などと久しぶりの母校に足を踏み入れていた。
2025年1月4日号
世界最大級の東京電力・柏崎刈羽原発(2012年から運転停止)の6、7号機再稼働の動きが加速するなか、「再稼働判断に県民の明確な意思表示を」と全県で行っている県民運動「柏崎刈羽原発再稼働の是非を県民投票で決める会」。県民投票条例制定を県議会に直接請求するのに必要な「署名3万6400人」を上回り、現在33市区町村で「14万筆」を突破している。目標の20万筆には届いていないが、同じ条例制定を求めた13年前の約6万8千人署名を大きく上回り、県議会の判断が注目される。妻有地域では独自目標『署名1万人』を掲げ、両市町署名は『9110人』(達成率91%)で、内訳は十日町市『7315人』(同86%)、津南町『1795人』(同121%)で、独自目標に対しての達成率は県内トップクラス。「原発再稼働に自分の意思を反映させたい住民の思いの表れ」と関係者はみる。署名は柏崎市、刈羽村、南魚沼市、魚沼市の4市村が継続中で、来月1日までに終了。署名は各市町村選挙管理委員会の審査を受け、3月18~19日に県に署名簿を提出。4月7~8日に臨時県議会に図る見込みだ。
2025年1月11日号
〇…郷土の味を知り、さらに子どもたちにも調理体験を通し食べるものを作る喜びを知って貰おうと昨年から始まった「妻有のごっつぉ~探求会」(南雲留里子代表)。農村地域生活アドバイザーで、郷土料理集『昔なつかし 津南のごっつぉ』(2010年刊)発刊にも携わった阿部和子さん(69、美穂)を講師に食探求会を継続。第3回は先月21日に町総合センターで開き、阿部さんが作った煮なます、奈良漬など試食。子どもたちは米粉ピザづくりに挑戦するなどし、料理交流した。
2025年1月11日号
「自分は何をしたいのか…、生きるとは…」、その自問自答から見出し、進んだ思想や哲学、心理学の分野。学んだ同志社大神学部で出会い、クリスチャンに。
「保育園も幼稚園もキリスト教の教えから始まりました」。昨年4月、日本基督教団・十日町教会に赴任し、牧師と共に併設の十日町幼児園園長を務める。人の誕生から人の最期まで向き合う。「両親も親戚にもクリスチャンはいなかったんです。これも巡り合わせですね」。
宮城・仙台市生まれ。高卒後の予備校時代の講師の言葉で考えた。『勉強のモチベーションを1年間維持するには、自分が何をしたいか、どうなりたいのか、それをしっかり考えることが大切』。このアドバイスが心に響いた。
「目標を2つ持ちました。実学ではなく思想や哲学、心理学を学び、国際的に活動したいと」。進んだのは京都の同志社大神学部。決め手は大学紹介資料の言葉だった。『世界では宗教を信じる人は多いが、日本は無神論の人が多い。グローバル化していく世の中で、国際的に活躍したいなら宗教的素養や知識は不可欠で、神学部は専門的に学ぶことが出来る』。
頭では分かっていたが、その光景を目にして「宗教」を体感。入学式早々、神学部だけ始業礼拝。「初めての教会、礼拝の独特な雰囲気、讃美歌や主の祈りを皆が一斉に唱えだした時、わぁー宗教だーっ、これから大学生活どうしよう…。実は本気で後悔したんです。今では笑い話ですが」。
講義が進むなかで、若く親しみを感じていた講師の授業。「キリスト教と社会福祉の講義で、保育園も幼稚園もキリスト教の教えから始まったなど歴史を学び、興味が増してきたんです」。だが、その講師が突然死去。「人を救い、支える宗教」に疑問を抱く出来事だった。
転機は大学3年の時。「リーマンショックで一気に就職氷河期に。一般企業に就職をと活動しましたが全く決まらなくて」。
再び自分と向き合う時間に。「生きるとは…、長い歴史の中で考えてきたのが宗教と思った時、私には教会がある、その時からです」。大学4年の夏、毎週日曜礼拝に教会へ通った。
礼拝説教の言葉がストンと胸に入った。『日本では年間2万人余の人が自死している。人生は思い通りにいかないことが多いが、思い通りにいかない人生の中で、神に支えられ、それぞれが人生を全うした証拠が聖書には書かれている』、さらに『私たちが聖書を読み、聖書を信じるのは、必ずしも思い通りにいかない人生で、困難を生き抜く力をいただくためではないか』。その年のクリスマスの日、洗礼を受けクリスチャンに。
その後、同志社大大学院へ。教会に住み込みで働く。教会には幼児から高齢者まで多くが集まる。「人の誕生から最期まで関わることってすごいと、牧師になる決意をしました」。
千葉教会では牧師助手の伝道師。その頃、大学時代に出会った妻と結婚。3年後、牧師として愛知・豊田教会、千葉・四街道教会など赴任。教会礼拝に訪れる人の人生と共に歩む。「結婚や出産など、皆さんが人生を歩む姿と共に私があり、共に喜びを感じます。人生の最期を向える家族と共に悲しみがあり、少し手助けができれば私の存在の意味があるのかなと思っています」。昨年4月十日町教会へ。1歳の娘と小3の息子、妻の4人で移住。
十日町教会赴任の橋渡しは前々任の新井純園長からの声掛け。「家族で雪堀キャンプに来たことがあり、雰囲気の良さと保育園がある教会でしたから、ここだと決めました」。
山登りが趣味。「自然豊かで美しく、子どもが大きくなったら一緒に山登りがしたいですね」。親しみある教会をと、分かりやすい言葉掛けを心がけている。人の一生に間近で向き合う日々。十日町幼児園は「子ども第一ですね。その良さを強みに伸ばしていきたいです」。
▼バトンタッチします。
大津富士夫さん
2025年1月11日号
例年、年末年始で帰省してくる人が持って来るといわれているインフルエンザが12月になるや否や大流行となり、年末からは新型コロナ感染症が流行中です。皆さん元気に新年をお迎えでしょうか。明けましておめでとうございます。新年第1回目の今日のお話は「潤いと健康」についてです。
実は私、エアコンの風が苦手。冷房も暖房もどちらもです。最近の良いエアコンは「快適設定」なんていう素敵なAIモードがあって、そのときどきで過ごしやすい温度や湿度に保ってくれるようですが、どうもエアコンをつけっぱなしにしておくと空気が乾燥しすぎて、すぐにのどの痛みに繋がって風邪を引いてしまうのです。
成人の体の55~60%は水分で出来ています。水分不足になるとからだにさまざまな不調の症状が出てきます。鼻やのどの粘膜の乾燥が起こると、粘液が少なくなり、粘膜の表面で、異物を吐き出すほうきのような役割の線毛の動きが弱くなってしまうため、ウィルスや細菌がうまく体の外に排出できず風邪を引きやすくなるといわれています。
私は小さい頃から慢性鼻炎のために口呼吸がクセになってしまっていること、年齢的にもややドライマウスの傾向があるので、特に気をつけてのどを守っていかないとのどの粘膜を傷つけて風邪を引いてしまいます。どうしてもエアコンをつけっぱなしにしないといけないような状況では、寝る時でもなるべくマスクをして加湿に心がけます。
つまり、風邪を引きたくなければ、まずは粘膜を強くする食べ物(コラーゲンを含むもの)を積極的にとり、そしてこまめに水分補給をして粘膜を潤わせておくことが大事というわけです。
冬は汗をかかないため、なんとなく水分をとることをおろそかにしてしまいがち。でも、厚着のために思ったより汗をかいていたり、常に暖房の効いた環境に身を置いていることが多いので、案外脱水している人が多いように思います。「のどが渇いた」と感じたときには、すでに必要な体内の水分量が2%も不足している状況と知っていてくださいね。
また、1日に飲み物から取ってほしい水分量は「体重×40~50㎖」といわれています。特に高齢の方の水分不足は免疫力の低下だけでなく、脳細胞の機能を落とし、認知能力が低下することや情緒不安定につながったり、最悪の場合、血液が濃くなって固まりやすくなることで血管の中で血栓を作り、脳梗塞や心筋梗塞につながり命に関わる事態を引き起こす可能性があります。できたら寝る前と起床時には水分を取っていただきたいものです。
水は飲むと2分で全身を巡ります。トイレに行ったらその分の水を少し口に含んでもらうと良いのかな、と思っています。ペットボトルなどをベッドわきに用意しておくのが良いかもしれませんね。ただし、ペットボトルの中身は、お茶などの利尿がつく飲み物ではなく「水」をご用意くださいね。
そうはいっても寝る前に水分を取ると夜中にトイレに何度も行くようになって困る、という方は、投薬治療や座って治す器械などもあります。ぜひお気軽にご相談くださいね。(たかき医院・仲栄美子院長)
2025年1月11日号
大雪の屋根掘りを栄村救助員の方に助けてもらって、脳梗塞後、自身の状態を東京の従兄弟達に伝え、今後、何時会えなくなるか分からないので別離の挨拶をしに出た。
移動しながら見る、東京あたりの電車のほぼ90%の乗客はスマホを手にして動画を見ていたようだ。なかには画面を両指で叩きながらドアの閉まる間際に車両から降りる人もいた。度々東京には出なくなったせいもあるが、出る度に都会の人たちの性向が過激になっているように感じた。多分スマホを手にする時間が増え、その分、電子機械に馴染んでくるのだろう。
しかし今では髪の白い老人も、綺麗に和服を着た奥様も、みんなスマホに視線を落としている。もっともパソコンを使い始めて10年以上経って、「こんなの分かるものか!」と匙を投げていた60歳だった私も、分からないなりに人差し指一本でキーボードを叩いている。
もちろん、分かっているのではないが指を動かしながら、間違いながら年賀状もできるようになる。あれだけ嫌がっていたのに、時間がそれに慣れさせ、受け入れざるを得なくさせたのだ。今では分からないまま新聞を拡げるように付き合っている。
秋山郷でトイレ用の落とし紙などない頃の話だから70年以上前になるのだろうが、新聞も届かない時はシダ類の山取りゼンマイを冬になる前に取って、玉にして冬の便所で使う落とし紙代わりにしていたという。相当の量で子供の仕事だった。
春に若芽は食用にするからか(カクマ)と呼んで区別していたのかも知らん? 春近くなるとそのカクマの玉も乾いて便が手に付いたりして嫌なものだったという。すると、そのカクマの玉は荒縄に代わっていき、僕の子供の頃になって便所には新聞紙が手のひらサイズに切られて、便器の脇に置かれてそれを揉んで使っていた。柔らかい落とし紙になったのは多分10歳くらいの頃だろう。
スマホと落とし紙を一緒に論じては申し訳ないが、何だってそうですが、そこで暮らして慣習が嫌だと思いながら、慣れてしまうもののようです。思えば時代が進むと今までのものが、ご破算になって変わっていき、新しい道具や器械に慣れるしかないのでしょう。
今では固定電話は消えつつあり、携帯電話も少なくなりパソコンだってそのうち無くなるだろうし、wi-fiも日本全国で普通に使えるようになる。列車の改札も切符も無くなるというのだし、むかし携帯のメールが打てず苛立ってぶち投げたこともあった私の思い出が、笑い話になるまでの時間は、時が進むにつれ、どんどん短くなるようだ。ただカクマの落とし紙が延々と続いて無くなるまでの時間と、今の携帯電話の消滅との対比に慣れるか、慣れずに超老人になるかなのだろう。
これからもどんどん新しい物に囲まれて、今の若者も中年、老人になる事だし、そのうちに宇宙の住宅が売りに出される日もあるのだろう。でもそんなものに気を使わず放っているうちに、驚いたり呆れたり間違いながらも、慣れていくのだろう。
ただ、今ようやく賀状がPCで打てるようになった者として、年賀状じまいなどしないで100枚を目標に師走の25日までにちゃんと投函して、郵便局がそれで利益を出した時代があったのだから、局が潰れるまで元旦の年賀状を届ける義務があると思う。届かない時は、局に文句を言い続けることにする。それが国の時代を越えた仕事の責任なのだから。
2025年1月11日号
雪国の生活で驚いたことはどんなに雪が降っても学校は休校にならないし、電車もバスも普通に動いていることだ。東京で10センチの降雪があれば公共交通のダイヤは乱れ、更に降り積もれば物流も何もかもがストップする。
ただし、この地域の公共交通機関は30センチ降ったところでいつも通りの運行を行っている。それは本当にすごいことだと思うし、公共交通を担う各社の仕事には感謝と尊敬の念しかない。
特に冬の飯山線は日本でも過酷な路線の一つだと思う。線路脇は雪壁ができ、雪庇がせり出し、線路には雪が降り積もる。
そこで力強い味方は線路除雪のロータリ車だ。路線を一時運休にして道路と同じように雪を巻き上げ積もった雪をあっという間にきれいにしていく。
道路除雪とは一味違った重厚感と車両が駆け抜ける風景は豪雪地の力強さを感じる一面である。
今年は青森に大雪を降らせているようだが、どんな寒波が来ても安心して生活できるこの地域の冬は、未明から除雪をしてくれる方やその関係企業の人たちによって支えられているんだなぁと除雪車を見かけるたびに思うのでした。
2025年1月11日号
有効署名数の4倍近い思いが集まっている。柏崎刈羽原発再稼働の是非を問う県民投票を求める署名運動の集計が7日公表され、市町村選管で署名簿審査が行われている。有効署名3万6千を上回ることは確実で、「県民投票で決める会」は3月中旬までに有効署名を基に花角知事に県民投票条例制定を直接請求する。知事による条例案提案を受け、県議会は4月中の臨時県議会で採決することになる。
2ヵ月間取り組んだ署名活動。だが柏崎市など4市村は来月1日まで続ける関係で、知事への直接請求は3月になる。請求を受け知事は意見書を付け、県民投票条例案を県議会に提案する。
柏崎刈羽原発再稼働の是非を問う県民投票条例制定を求める運動は2012年にも行われた。だが県議会は条例案を否決した。当時の署名を大きく上回る県民の強い思いを、県議会・県議はどう受け止め、採決に臨み、賛否を下すか、最大の焦点になる。当時の県議会で自民代表で述べた尾身孝昭県議の姿がTVで流れている。『原発事業は国策であり国が責任を持って判断すべきこと』と論点すり替えしている。今回、この論理は通用しない。全国の原発で再稼働論議の判決が出ており、再稼働では地元同意が最大の判断要素になっている。それだけに地元県議会の採否には、重大な責任が伴う。
署名運動で関心が高まる原発再稼働。年末から年始にかけて、当事者たる県議の挨拶言葉からは原発の言葉が消えている。意識の裏返しだろうが、4月の臨時県会まで時間がある。どうだろう、県議自ら住民の声を聞いては。
それとも、県民・市民・町民が地元県議への直接行動で「再稼働、どう思いますか?」と詰め寄ることもできる。幸い、尾身県議も小山県議も、魚沼エリアの県議も、事務所を構えている。「おじゃまします」と、新年挨拶がてら、訪ねてみてはいかがか。
2025年1月11日号
現職の態度表明がまだないなか、十日町市長選(4月20日告示、27日投票)は新人が先行する形で動きが始まっている。現職で4期の関口芳史市長(65)は、市議会12月議会で関連質疑の中で「市固有の歴史遺産を国内外に積極発信し地域総がかりのまちづくりに取り組む」と市政への積極姿勢を見せている。一方、三度目の挑戦となる樋口明弘氏(76)は昨年4月に出馬表明し、前回までの政策を中心に人から人へと繋げる活動を進める一方で、今年6月末に水利権が満了するJR東・宮中取水ダムの水利権更新への取り組み姿勢を明確にし、「発電の地元還元」を前面に打ち出し、市長選の争点化をはかっている。注目は現職・関口市長がどのタイミングで進退表明するかだ。4年前の前回は原発事故対応などの対処問題などを理由に表明時期を2月まで引っ張った経緯があり、今期の進退表明はいつするのか、市民の関心が集まっている。
2025年1月4日号
〇…9年前の閉校以来、久しぶりに全教室が開放され、子どもたちの声が響いた。2015年に閉校した津南町立外丸小学校。廃校利用の一環で2年前の2023年1月にIT交流施設「外丸集学校」としてプレオープンするなか、初の全教室を使った交流企画「とまるしぇ@外丸集学校」は15日開催。かつて子どもたちが学んでいた教室棟で、ハンドメイドアクセサリーやデコスイーツ、手作り香水など体験、さらに手づくり品販売、ギター教室、子どもと大人向けマネー講座など24店が展開。閉校後に教室棟を全面的に使った初のイベント。多くの地域住民が訪れ「懐かしいね」などと久しぶりの母校に足を踏み入れていた。
2025年1月4日号