絶妙なタイミングだ。明日17日午後2時から、新潟県が原発の安全性を総括的に検証する検証総括委員会で、今年3月の解任まで委員長を務めた池内了氏が、川西・千手コミュニティセンターに来て話す。新潟県の花角知事は13日、東京電力福島第1原発事故を受け、新潟県が独自に「3つの検証」のため三つの検証委員会を設置し、それをまとめた総括報告書を公表した。本来これは、池内氏が委員長としてまとめ報告するはずの総括報告書だった。
だが、花角知事は今年3月の任期切れで、池内委員長を再任せず、事実上解任した。つまり13日公表の総括報告書は、県職員がまとめたもので、そこには専門的な知見を持った専門家不在の総括報告書になっている。これを受け花角知事は柏崎刈羽原発の再稼働の「議論を進める」と表明した。なにが核心で、なにが問題なのか、明日、池内氏は語るだろう。
3つの検証委員会の中で、ここ妻有地域に関係深いのは原発事故時の避難だ。その避難検証委員会は、最悪想定の真冬・豪雪・深夜の原発事故時の避難をどう検証したのか。原発から30㌔圏UPZに入る十日町市は、まさにこの最悪条件下での避難が求められ、柏崎刈羽原発周辺の住民は国道252号、253号で妻有側に避難し、さらに小千谷市民も妻有避難となっている。
この最悪条件下で、どう避難するのか、その具体策は今回の総括報告書にはない。我々雪国の住人は、1年のサイクルを冬を起点に考える。それだけ妻有の冬が過酷な生活環境となり、そこに原発事故が重なる想定は、無雪地域、少雪地域では想像できないほど重要視し、まさに一大事なのだ。
今回の報告書を受け花角知事は「議論を進める」と明言した。さらに再稼働への知事意見の表明後「信を問う」とする。その前に、「どうする真冬・豪雪・深夜」、ではないのか。
2023年9月16日号
静かすぎる前哨戦だ。津南町にエネルギーは残っているのか、と問いたいほどの静かさだ。38日後に迫る町議選。今度の改選は、これまで先人たちが積み上げ、築いてきた礎の検証と再構築が問われる場でもある。先人たちが、次代へ、次代へとバトンタッチしてきた、そのエネルギーがあるのか、それが問われる改選期だ。
先人の礎のひとつは、広大な耕地。それも標高差を活用の「エレベーション農業」ができる段丘地の農地が出来ている。標高200㍍前後から700㍍を超える耕地は、それだけで同じ作物の「時間差作付け」ができ、さらに高低差を活用した農作物の多様性を生み出す礎であり、先人たちは次代に可能性を託した。それは人材を育てることと同意であり、最近の農業青年による多数の法人化の誕生は、託された思いが見える形で育っている。
高齢化対応の福祉分野は、施設整備が進み、津南ファンの湖山医療福祉グループ・湖山泰成氏が先駆的に施設整備を進め、類似自治体と比較しても充実度は高い。だが一方、地域医療は窮地にある。特に来年度4月導入の医師の働き方改革は、大きな変化を迫られている。ここは広域連携の出番だ。
人づくりの要、幼児教育を含む教育分野は、まさに先人たちが繋いできた津南町の文字通りの礎だ。この教育が混迷している。施設整備の必要性、教育のあり方。具体論が求められるが、その論点の前提は人づくり。先人たちは、議論に議論を重ね、意見の違いはあれど、人づくりの一点でつながり、前に進めてきた。だが、いまは止まっている、いや、その場に留まること自体、後退していることでもある。
直面する課題は多岐にわたる。この現実に立ち向かうエネルギーがあるのか、そこが問われているのが、38日後に迫る津南町議選だ。選挙はその時の民意のエネルギーの発露である。
2023年9月9日号
絶妙なタイミングだ。明日17日午後2時から、新潟県が原発の安全性を総括的に検証する検証総括委員会で、今年3月の解任まで委員長を務めた池内了氏が、川西・千手コミュニティセンターに来て話す。新潟県の花角知事は13日、東京電力福島第1原発事故を受け、新潟県が独自に「3つの検証」のため三つの検証委員会を設置し、それをまとめた総括報告書を公表した。本来これは、池内氏が委員長としてまとめ報告するはずの総括報告書だった。
だが、花角知事は今年3月の任期切れで、池内委員長を再任せず、事実上解任した。つまり13日公表の総括報告書は、県職員がまとめたもので、そこには専門的な知見を持った専門家不在の総括報告書になっている。これを受け花角知事は柏崎刈羽原発の再稼働の「議論を進める」と表明した。なにが核心で、なにが問題なのか、明日、池内氏は語るだろう。
3つの検証委員会の中で、ここ妻有地域に関係深いのは原発事故時の避難だ。その避難検証委員会は、最悪想定の真冬・豪雪・深夜の原発事故時の避難をどう検証したのか。原発から30㌔圏UPZに入る十日町市は、まさにこの最悪条件下での避難が求められ、柏崎刈羽原発周辺の住民は国道252号、253号で妻有側に避難し、さらに小千谷市民も妻有避難となっている。
この最悪条件下で、どう避難するのか、その具体策は今回の総括報告書にはない。我々雪国の住人は、1年のサイクルを冬を起点に考える。それだけ妻有の冬が過酷な生活環境となり、そこに原発事故が重なる想定は、無雪地域、少雪地域では想像できないほど重要視し、まさに一大事なのだ。
今回の報告書を受け花角知事は「議論を進める」と明言した。さらに再稼働への知事意見の表明後「信を問う」とする。その前に、「どうする真冬・豪雪・深夜」、ではないのか。
2023年9月16日号
静かすぎる前哨戦だ。津南町にエネルギーは残っているのか、と問いたいほどの静かさだ。38日後に迫る町議選。今度の改選は、これまで先人たちが積み上げ、築いてきた礎の検証と再構築が問われる場でもある。先人たちが、次代へ、次代へとバトンタッチしてきた、そのエネルギーがあるのか、それが問われる改選期だ。
先人の礎のひとつは、広大な耕地。それも標高差を活用の「エレベーション農業」ができる段丘地の農地が出来ている。標高200㍍前後から700㍍を超える耕地は、それだけで同じ作物の「時間差作付け」ができ、さらに高低差を活用した農作物の多様性を生み出す礎であり、先人たちは次代に可能性を託した。それは人材を育てることと同意であり、最近の農業青年による多数の法人化の誕生は、託された思いが見える形で育っている。
高齢化対応の福祉分野は、施設整備が進み、津南ファンの湖山医療福祉グループ・湖山泰成氏が先駆的に施設整備を進め、類似自治体と比較しても充実度は高い。だが一方、地域医療は窮地にある。特に来年度4月導入の医師の働き方改革は、大きな変化を迫られている。ここは広域連携の出番だ。
人づくりの要、幼児教育を含む教育分野は、まさに先人たちが繋いできた津南町の文字通りの礎だ。この教育が混迷している。施設整備の必要性、教育のあり方。具体論が求められるが、その論点の前提は人づくり。先人たちは、議論に議論を重ね、意見の違いはあれど、人づくりの一点でつながり、前に進めてきた。だが、いまは止まっている、いや、その場に留まること自体、後退していることでもある。
直面する課題は多岐にわたる。この現実に立ち向かうエネルギーがあるのか、そこが問われているのが、38日後に迫る津南町議選だ。選挙はその時の民意のエネルギーの発露である。
2023年9月9日号