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今週の人・ひと・ヒト一覧

  • 『果実は命をつなぐ』

    大出 恭子さん(1971年生まれ)

     朝起きて、家の側の木から熟れた桃を取り、食べ、その種は土に返す…
    ニュージーランドでお世話になったガイトン家族
    は、自然と共にある暮しの日々。
     「これだっ」、漠然と求めていたものが目の前にあった。言葉にすると『フードフォレスト』。果樹を植え、完熟果物を食べ、その種は土に返し、種から新たな木が育ち、鳥や動物、人間に果実を与え、その種は再び土に帰り、また新たな果樹が育つ。
     8年前、その思いを形にした。『フード・フォレスト・ジャパン』を立ち上げる。松代や松之山に求めた土地や借地に15種、5百本の果樹を植える。「密植です。山の自然の木々は様々な樹種が密植しています。同じように果樹も自然の中で育ち、雪や風雨などで自然剪定され、育っていきます。実った果物は鳥や動物が食べ、その実はまた自然に帰ります。この鳥や動物は、私のスタッフと思っています」。
     いま会員100人余のフード・フォレスト・ジャパン。毎年植樹を行い、面積を増やしている。「まだ私たちの口に入る果物は少ないですが、明日採ろうかなと思うと、翌日には全て果物がなくなっていたなど、鳥や動物の感覚はすごいですね。でもそれも自然ですね」。
     大学卒業後、南魚沼の国際大学に就職し、英語の熟度が増し、今は新潟県農業大学校の英語講師。大学校で農業分野の知見が深まり、福岡正信著『わら一本の革命』に出会う。十日町に移住し始めた農業、ニュージーランドでの体験、フード・フォレスト・ジャパンの立上げ、すべてがつながっている。食と貧困問題にも取り組みNPOにいがたNGOネットワークのメンバー。「果実は世界の貧困を救います。種はゴミではありません。土に返すことで命をつないでくれます」。
    ◆バトンタッチします。
     「中村紀子さん」

    2024年2月24日号

  • 『ナチュラルライフ』

    森田 れなさん(1988年生まれ)

     東京のマンション暮らし。「隣り近所に迷惑をかけないように気をつかう毎日で、窮屈さを感じていました」。元気盛りの男の子2人を自由に遊ばせたい。東京生まれの夫・淳さんと、これからの暮し方を話し合った。
     祖母が松之山生まれで千葉に暮らす。ならば十日町市から探してみようと、空き家バンクを見ると古民家があった。「訪ねて見たら、これだっと、夫と決めました」。築100年余の家は天井が高く、むき出しの太い梁が歴史を感じさせると同時に、安心感を与える。
     来月には四度目の春を迎える。広い居間を活用し、13年余り取り組む「ヨガ」を指導し、同じくらい取り組むハーブやアロマによる食養生や自然療法を伝える。どちらも指導者の資格を持ち、暮しの中で心と身体をリラックスしてくれる。
     「ここには宝物がいっぱいありますね」。自生するドクダミ、ヨモギ、スギナなど薬草の高い効能を伝え、広めている。移り住んだ年から米作りにも取り組む。農業機械が入らない棚田を借り受け、「前からやってみたかったんです」と、肥料も農薬も使わず、子どもたちと泥んこになりながらのコメ作りを続ける。 
     言葉にすれば「ナチュラルライフ」だが、力みはない。子どもをテーマに映画制作するオオタヴィン監督の『いただきます』など作品上映を通じて、暮しへの思いが少しずつ広がっている。東京生まれの男の子2人、松代生まれの1歳半の長女、子たち3人と日々の生活を楽しむ。「自然の素材がいっぱいです。この子たちにつないでいきたいですね」。
    ◆バトンタッチします。
     「大出恭子さん」

    2024年2月17日号

  • 『まつのやま基地』

    佐藤美保子さん(1978年生まれ)

     「卒業式で9年生(中学3年)と別れるのが嫌で、小学1年生が泣くんですよ。この学園の良さが分かりますね」。小中一貫校『まつのやま学園』、我が子4人が通う。放課後、いつもは通学バスですぐに帰宅するが、「道草」して2時間かかることもある。それをサポートするのが
    『まつのやま基地』。拠
    点は松之山支所前の空き家を活用。オリジナル旗が目印。コロナ禍前の2019年、思いを同じくする仲間たちと立上げ、今春から新たな体制で活動を再スタートする。運営スタッフは同じく子育て中のママさん仲間4人、地域と繋いでくれる世話役が3人。昨年、プレイベントを年間通じて開き、今春からの活動の感触をつかんだ。
     「この手作り箒(ほうき)は、ホウキモロコシで作ったんです。地元の箒名人の方と一緒に子どもたちも収穫から作りました。自分で作った箒ですから愛着がわき使いたくなりますよね。家の掃除を自分からやりますよ」。米作りは世話役メンバーが手植えからアドバイスし、稲刈り・ハゼ掛け・脱穀を体験。「自分たちがやりたいことを、出来る人たちとつながり、子どもたちと一緒にやります。今度あれしたいね、次はあれしよう
    よ…など次々とやりたいことが湧いてきます」。
     親の転勤で県庁所在地を転々と動いたが、「小さい頃から田舎で暮らしたい、その思いはずっとありました」。地域おこし協力隊など地域活動の経験の中で「松之山は人の暮しの繋がりの中に拠り所があります。その繋がりが薄くなりつつあり、ならば誰でも世代を超えて気軽に寄れるコミュニティをと。それがまつのやま基地です。子どもたちは保育園から中学卒業まで少ないながらも一緒に体験を積み重ねています。これは社会に出て行くなかで、大きな強みになるはずです」。
    ◆バトンタッチします。
     「森田れなさん」

    2024年2月10日号

  • 「なんとかなる、ですね」

    早河 史恵さん(1971年生まれ)

     まさに人から人へのつながりが、いまの『ママのおやつ』を築き上げている。東京・新宿生まれと神奈川・藤沢生まれが広告代理店で出会い、アメリカで1年余り暮し、人と人のつながりから津南町の住人になり、早や26年余の歳月を刻む。仕事関係で出会った農業者などの協力でユリ栽培、コメ作り、野菜栽培など全くの未経験ながら挑む。 
     そんなある日、夫が言った。「一本足では、ダメになった時、どうしようもない。おまえ、お菓子作りが好きだろう」、このひと言から全てが動き出した。
     ちょうど6次産業化による事業起しが全国的に始まる頃。「お菓子作りが好きだったと言っても、我が子たちの誕生ケーキを作るような家で作る程度。できる? まあ、なんとかなるかなぁ」。このポジティブさが次々と人から人につながり、「日本の洋菓子界を作り上げてきたお師匠様との出会い」が契機となり、自己研鑽を積み上げ、その師匠からは今も指導、アドバイスを受けている。
     師匠からは基本から叩き込まれ、何度も壁にぶち当たりながらも、友だちや仲間たちの声掛けや笑顔に支えられ、今がある。師匠の『厳しくも優しい言葉』をいつも胸に秘める。『こんな田舎だけど、時代の最先端なものがあっていい。常にお客様と向き合い、一番良いものを作る、これだよ』。
     地元産米の米粉、地元農業者の新潟地鶏の卵、ニンジン、アスパラ、カボチャ、サツマイモなど素材を積極使用している。毎月の先生来訪の日は「ドキドキ、ワクワクの時間です」。 
     ポジティブ満開の笑顔が、今日も出迎えてくれる。「今年9月で10年になるんですよ。ほんと、あっという間、信じられないですね」。
    ◆バトンタッチします。
     「佐藤美保子さん」

    2024年2月3日号

  • 心と体、癒される場に

    ◎...ひだまりサロン・清水さとみさん

     のどかな田園風景が広がる十日町市川西地区上野に「ひだまりサロン」がある。自宅の一室を改装して代表の清水さとみさん(62)がフェイシャルエステ、皮膚や筋肉、神経、腱をしなやかにするピーナッツオイルを使ったオイルリンパ・ケアなどを行い、利用者から好評を得ている。

    2023年11月11日号

  • 『果実は命をつなぐ』

    大出 恭子さん(1971年生まれ)

     朝起きて、家の側の木から熟れた桃を取り、食べ、その種は土に返す…
    ニュージーランドでお世話になったガイトン家族
    は、自然と共にある暮しの日々。
     「これだっ」、漠然と求めていたものが目の前にあった。言葉にすると『フードフォレスト』。果樹を植え、完熟果物を食べ、その種は土に返し、種から新たな木が育ち、鳥や動物、人間に果実を与え、その種は再び土に帰り、また新たな果樹が育つ。
     8年前、その思いを形にした。『フード・フォレスト・ジャパン』を立ち上げる。松代や松之山に求めた土地や借地に15種、5百本の果樹を植える。「密植です。山の自然の木々は様々な樹種が密植しています。同じように果樹も自然の中で育ち、雪や風雨などで自然剪定され、育っていきます。実った果物は鳥や動物が食べ、その実はまた自然に帰ります。この鳥や動物は、私のスタッフと思っています」。
     いま会員100人余のフード・フォレスト・ジャパン。毎年植樹を行い、面積を増やしている。「まだ私たちの口に入る果物は少ないですが、明日採ろうかなと思うと、翌日には全て果物がなくなっていたなど、鳥や動物の感覚はすごいですね。でもそれも自然ですね」。
     大学卒業後、南魚沼の国際大学に就職し、英語の熟度が増し、今は新潟県農業大学校の英語講師。大学校で農業分野の知見が深まり、福岡正信著『わら一本の革命』に出会う。十日町に移住し始めた農業、ニュージーランドでの体験、フード・フォレスト・ジャパンの立上げ、すべてがつながっている。食と貧困問題にも取り組みNPOにいがたNGOネットワークのメンバー。「果実は世界の貧困を救います。種はゴミではありません。土に返すことで命をつないでくれます」。
    ◆バトンタッチします。
     「中村紀子さん」

    2024年2月24日号

  • 『ナチュラルライフ』

    森田 れなさん(1988年生まれ)

     東京のマンション暮らし。「隣り近所に迷惑をかけないように気をつかう毎日で、窮屈さを感じていました」。元気盛りの男の子2人を自由に遊ばせたい。東京生まれの夫・淳さんと、これからの暮し方を話し合った。
     祖母が松之山生まれで千葉に暮らす。ならば十日町市から探してみようと、空き家バンクを見ると古民家があった。「訪ねて見たら、これだっと、夫と決めました」。築100年余の家は天井が高く、むき出しの太い梁が歴史を感じさせると同時に、安心感を与える。
     来月には四度目の春を迎える。広い居間を活用し、13年余り取り組む「ヨガ」を指導し、同じくらい取り組むハーブやアロマによる食養生や自然療法を伝える。どちらも指導者の資格を持ち、暮しの中で心と身体をリラックスしてくれる。
     「ここには宝物がいっぱいありますね」。自生するドクダミ、ヨモギ、スギナなど薬草の高い効能を伝え、広めている。移り住んだ年から米作りにも取り組む。農業機械が入らない棚田を借り受け、「前からやってみたかったんです」と、肥料も農薬も使わず、子どもたちと泥んこになりながらのコメ作りを続ける。 
     言葉にすれば「ナチュラルライフ」だが、力みはない。子どもをテーマに映画制作するオオタヴィン監督の『いただきます』など作品上映を通じて、暮しへの思いが少しずつ広がっている。東京生まれの男の子2人、松代生まれの1歳半の長女、子たち3人と日々の生活を楽しむ。「自然の素材がいっぱいです。この子たちにつないでいきたいですね」。
    ◆バトンタッチします。
     「大出恭子さん」

    2024年2月17日号

  • 『まつのやま基地』

    佐藤美保子さん(1978年生まれ)

     「卒業式で9年生(中学3年)と別れるのが嫌で、小学1年生が泣くんですよ。この学園の良さが分かりますね」。小中一貫校『まつのやま学園』、我が子4人が通う。放課後、いつもは通学バスですぐに帰宅するが、「道草」して2時間かかることもある。それをサポートするのが
    『まつのやま基地』。拠
    点は松之山支所前の空き家を活用。オリジナル旗が目印。コロナ禍前の2019年、思いを同じくする仲間たちと立上げ、今春から新たな体制で活動を再スタートする。運営スタッフは同じく子育て中のママさん仲間4人、地域と繋いでくれる世話役が3人。昨年、プレイベントを年間通じて開き、今春からの活動の感触をつかんだ。
     「この手作り箒(ほうき)は、ホウキモロコシで作ったんです。地元の箒名人の方と一緒に子どもたちも収穫から作りました。自分で作った箒ですから愛着がわき使いたくなりますよね。家の掃除を自分からやりますよ」。米作りは世話役メンバーが手植えからアドバイスし、稲刈り・ハゼ掛け・脱穀を体験。「自分たちがやりたいことを、出来る人たちとつながり、子どもたちと一緒にやります。今度あれしたいね、次はあれしよう
    よ…など次々とやりたいことが湧いてきます」。
     親の転勤で県庁所在地を転々と動いたが、「小さい頃から田舎で暮らしたい、その思いはずっとありました」。地域おこし協力隊など地域活動の経験の中で「松之山は人の暮しの繋がりの中に拠り所があります。その繋がりが薄くなりつつあり、ならば誰でも世代を超えて気軽に寄れるコミュニティをと。それがまつのやま基地です。子どもたちは保育園から中学卒業まで少ないながらも一緒に体験を積み重ねています。これは社会に出て行くなかで、大きな強みになるはずです」。
    ◆バトンタッチします。
     「森田れなさん」

    2024年2月10日号

  • 「なんとかなる、ですね」

    早河 史恵さん(1971年生まれ)

     まさに人から人へのつながりが、いまの『ママのおやつ』を築き上げている。東京・新宿生まれと神奈川・藤沢生まれが広告代理店で出会い、アメリカで1年余り暮し、人と人のつながりから津南町の住人になり、早や26年余の歳月を刻む。仕事関係で出会った農業者などの協力でユリ栽培、コメ作り、野菜栽培など全くの未経験ながら挑む。 
     そんなある日、夫が言った。「一本足では、ダメになった時、どうしようもない。おまえ、お菓子作りが好きだろう」、このひと言から全てが動き出した。
     ちょうど6次産業化による事業起しが全国的に始まる頃。「お菓子作りが好きだったと言っても、我が子たちの誕生ケーキを作るような家で作る程度。できる? まあ、なんとかなるかなぁ」。このポジティブさが次々と人から人につながり、「日本の洋菓子界を作り上げてきたお師匠様との出会い」が契機となり、自己研鑽を積み上げ、その師匠からは今も指導、アドバイスを受けている。
     師匠からは基本から叩き込まれ、何度も壁にぶち当たりながらも、友だちや仲間たちの声掛けや笑顔に支えられ、今がある。師匠の『厳しくも優しい言葉』をいつも胸に秘める。『こんな田舎だけど、時代の最先端なものがあっていい。常にお客様と向き合い、一番良いものを作る、これだよ』。
     地元産米の米粉、地元農業者の新潟地鶏の卵、ニンジン、アスパラ、カボチャ、サツマイモなど素材を積極使用している。毎月の先生来訪の日は「ドキドキ、ワクワクの時間です」。 
     ポジティブ満開の笑顔が、今日も出迎えてくれる。「今年9月で10年になるんですよ。ほんと、あっという間、信じられないですね」。
    ◆バトンタッチします。
     「佐藤美保子さん」

    2024年2月3日号

  • 心と体、癒される場に

    ◎...ひだまりサロン・清水さとみさん

     のどかな田園風景が広がる十日町市川西地区上野に「ひだまりサロン」がある。自宅の一室を改装して代表の清水さとみさん(62)がフェイシャルエステ、皮膚や筋肉、神経、腱をしなやかにするピーナッツオイルを使ったオイルリンパ・ケアなどを行い、利用者から好評を得ている。

    2023年11月11日号