昆虫、特にチョウやハチがよく集まる花がある。畑の雑草でもっとも手ごわい相手であるヤプガラシ、抜いても抜いてもどこからか芽が出てきては他の植物にからみつく厄介者。
そんな厄介者でもチョウやハチ類にとっては魅力的な花らしい。一度アゲハチョウに聞いてみたいほどだが、本当によくこの花に来る。スズメバチの仲間もよく集まってくるのでハチ類にはよほど好評の花なんだろうな−って。
我々がこの花の匂いをかぐとかなりキつめの匂いがするが、昆虫にとってはとても抜群に美味しい匂いだと思われる。
今年は南天とユキツバキにからむヤブガラシをそのままにしておいて観察してみたが、からみつかれる方はたいへんだろうなと思う。
もちろんチョウばかりではなくハナカミキリの仲間も来ているしコガネムシの仲間も来る。
みんなお揃いのレストランになっている。家の周りにそんな場所が一ヵ所あってもバチは当たらないだろう…。
2024年9月7日号
苗場山麓で見られる常緑のスゲは、ホソバカンスゲ、ヒメカンスゲ、ヒロバスゲなど7種ほどある。
花期は春から初夏にかけてで、どれもよく似た地味な花を咲かせる。葉は線形で、幅に違いはあるものの見分けるのが面倒くさい。
こんな厄介なスゲの中からそれぞれの特性を見極め、暮らしに取り入れられてきたものがある。
ミヤマカンスゲ(ヒロロ、写真左)の葉は軽くて丈夫、水をはじく性質から、雪や雨時の雨具であるミノの材料とした。採取時期は新葉が程よく成長した8月から秋の彼岸ころとされた。この地域ではよく見かけ、沢沿いなどの少し湿った所で群生していることが多い。
コシノホンモンジスゲ(タツノケ、写真右)の葉も水に強い性質から、旦那衆の雨具であるケミノの材料となった。採取時期は7月下旬から8月上旬である。日当たりのいい雑木林の斜面などで見かける。
自然と向き合ってきた先人の見識からは学ぶべき事ばかりだ。
2024年8月31日号
苗場山麓ジオパークのガイド仲間から、高野山の砂利道で鉄道のレールを見つけたということで、早速調査に出かけました。場所は穴藤から巻揚機で高野山に上がって調整池に向かう途中の作業道の脇で、捻じ曲げられた状態で一部は地面に埋もれていました。鉄が貴重だった戦中にレールが供出されずに残っていたのは奇跡です。
高野山には大規模なダム工事もあり、巻揚からダム現場、そこから前倉トド(結東原)までの軌道跡は、地形的に現在の道路とほぼ同じルートを通ったものと思われます。
此処で分からないのが亀岡あたりから高野山に上がったルートです。古い地図には加用から百ノ木あたりから巻揚機があり、横根を通って高野山に上がったようですが、そこが何処なのか? また志久見川ルートに電車または汽車が実際走ったのか? 志久見川沿いの方より情報をお待ちしております。
2024年8月24日号
JR飯山線足滝駅周辺を散策していると、どこかへ続くであろう山道を見つけた。
特に看板もなく、どこに続くかもわからないまま険しくはないが誰もいない道を歩いていくと一枚の看板を見つけた。
そこには「足滝・穴山トレッキングコース」と書かれていた。
この道の終着点を見つけ少しほっとしながら、本当に穴山集落まで続くのか確かめたくなり、登り続けることにした。
歩き続けると写真の石像にたどり着く。
よく見ると観音様とその両側には「左ハやま道」「右ハせん光し松之山」と彫られているように見えた。
帰ってから少し調べるとこれは馬頭観音道標というようで、旅人が道に迷わないよう、旅の無事を祈る街道によくある石仏らしいことが分かった。
津南町から松之山、もしくはそれ以上歩いていたことを想像すると昔の人はすごいなと感心するとともに、自動車に頼りすぎていることに反省した。
この後私は無事穴山集落にたどり着き、このトレッキングコースは穴山から足滝駅に向かう道だということを教えてもらい、またひとつ津南町を知ることができた喜びを感じながら帰路につくのでした。
2024年8月17日号
とある場所での撮影だが、良くこんな木の上にそれもあちこちに上手く巣を作るもんだと感心する。
アオサギの他にもカワウの巣が急斜面のあちこちにあって、よくこんな足場の無いようなところに巣が作れるもんだと思わず感心するほどです。
けど、これだけ狭い場所に巣を作るとなると巣作りの時の場所争いがあちこち勃発してもおかしくないような気もしますよ。
巣材を隣の巣から巣の持ち主が居ない時にちょっと黙って頂いたりと…あるいは急斜面だから上から落ちてきた枝を巣材にできるし、とにかくにぎやかな団地になっています。
2024年8月10日号
真夏、暑さでへばっている多くの植物を尻目に一際元気なのがクズである。道端や林縁などで我が物顔で蔓を伸ばしている。
繁殖力旺盛なこの蔓草は、人にとって厄介者だが、有用な存在でもある。
春先の若芽は山菜として。採っても採っても芽出してくるから長く利用できる。
梅雨時に成長した新蔓からは、光沢のある繊維が採れる。武士の裃や着物などの生地となった。
葉は牛馬の栄養たっぷりの飼料。乾燥させたものは藁などとの物々交換品であった。
夏に咲く花(写真)は薬に。乾燥品を煎じて服用すれば二日酔いに効く。肥満防止成分も含まれている。
秋、木質化した蔓はテゴなど物入れの材料に。縄の代用として冬囲い時などに利用された。
冬、地下茎には良質なデンプンが貯蔵される。「葛粉」である。細かく刻んで乾燥させたものが「葛根」で漢方薬に配合されている。
人の暮らしと深く結びついてきたクズだが、この先関係はどうなっていくのやら…。
2024年8月3日号
苗場山麓ジオパークで復活した中津川左岸のトレイルコースの中で、今回は大赤沢の対岸の秋山林道から矢櫃村跡までのコースを歩きました。
ブナ林を下るコースは快適に整備され40分ほどで矢櫃村跡に到着。村跡には天明の飢饉で途絶えた供養塔と住居跡とみられる石垣が残っているだけで、そこでどのような暮らしをしていたのか、その形跡は深い森に飲み込まれていました。
そこから少し下ると矢櫃橋があり、現在の橋跡と100年程前の写真を見比べ、橋が何処にかかっていたのか見回すと、川の流れは変わっていますがほとんど同じ位置に架かっていたようです。
古い写真は小赤沢秋山館発行のもので、要約すると「この断崖清流を眺めればどんな人でも爽快で歓声を上げない人はいないだろう。歴史の言い伝えに寄ればこの岩の洞穴の中に内大臣は弓矢と甲冑を秘蔵したとゆうのでこの呼び名がある」と書かれています。
苗場山麓ジオパークの中津川左岸ルートの終点にしては対岸の大赤沢に渡れないのが残念です。徳島県祖谷のかずら橋などは世界から観光客が訪れていますので、残された鉄骨製の塔やワイヤーを元にちょっと工夫をしてスリル満点の橋にすれば小赤沢までの歴史ある旧道復活と新たな観光資源となることでしょう。
2024年7月27日号
津南町にある森林セラピー基地にて野イチゴを見つけました。これはナワシロイチゴというキイチゴの仲間で野山の林縁のみならず、道端の藪など日当たりのいいところに生息しています。
5月から7月にかけてラズベリーに似た赤い実をつけ、「苗代」を作るころに果実が熟すことから、ナワシロイチゴと名付けられたそうです。
そのままでもジャムにしてもおいしく食べることができますが、すぐそばにある自然の中に食べ物があるということは改めて良いところに住んでいるな、と感じる瞬間でもあります。
移住した最初の頃は「花」や「草」ということだけで、名前も何もわかりませんでしたが、少しずつ植物の知識を増やしていくと、本当に多くの草花が山や林に生息していることがわかります。
特に葉の形や香り、樹木の質感などは一つ一つ特徴的で、こんなにも違うのかと驚くと同時に緑豊かな自然に囲まれて生活ができるこの地域が本当に贅沢な場所だと感じています。
これからの時期はブナ林がとても涼しく感じることのできる季節です。ぜひ、森林セラピー基地や近くの森に足を運んでみてはいかがでしょうか。
2024年7月20日号
あるホテルから「ヤモリが数年前から住んでいて夏場は良く出てくるよ」って連絡をもらった。
最初は半信半疑だったが現物を確認するとやはりニホンヤモリそのもの…普通こんな豪雪地の山間部にはいないと思っていたのだが。
新潟県内では柏崎や出雲崎、糸魚川などの古くから商船が出入りする港町などでは船荷などに入り込んであちこちの港などに運び込まれる事が多いと言う。
ではなぜこんな豪雪地にいたかと思うと、予想ではあるが、ホテルのリフォームなどで大量の資材が運び込まれた時にその中にいたのではないかと思う。
夜行性の動物で人家など人の生活圏にすみつき、天井や壁などに張り付いて生活しているのが見られる。特に夜間にガラス窓に集まる昆虫などを捕食して生活している。人とうまく共存していて野外では姿を見るのまれである。
漢字で書くと「家守」と書き、家を守る動物としても有名で、見つけてもそっとしておいてあげたい。
2024年7月13日号
どちらもマツブサ科の蔓性の樹木である。種子の他に、地下茎を這わせて繁殖する。
出会いはいつも深山だが、苗場山麓では超がつくほどの希少種だ。
見つかるのは若木が多く、蔓を伸ばして絡みついているものは少ない。花を咲かせる株など尚更だ。
花期は6~7月で、雌花と雄花があり、別々の株につく。雄株の方が多いが、雌雄同株を見かけたこともある。同株で性転換するとも言われているが…。(写真はマツブサ雄株・左、チョウセンゴミシ雌株・右)。
花は似ているが、房状に成長する果実の色は全く違ってくる。マツブサは青黒色に、チョウセンゴミシは赤色に熟すのだ。
蔓や果実には薬効があることが知られている。茶や入浴剤として利用すれば、血行促進、強壮などの作用がある。
名は、蔓に松脂のような匂いがあることからと、朝鮮から種子を輸入し、果実に甘、苦など5つの味があること(五味子)から。
2024年7月6日号
昆虫、特にチョウやハチがよく集まる花がある。畑の雑草でもっとも手ごわい相手であるヤプガラシ、抜いても抜いてもどこからか芽が出てきては他の植物にからみつく厄介者。
そんな厄介者でもチョウやハチ類にとっては魅力的な花らしい。一度アゲハチョウに聞いてみたいほどだが、本当によくこの花に来る。スズメバチの仲間もよく集まってくるのでハチ類にはよほど好評の花なんだろうな−って。
我々がこの花の匂いをかぐとかなりキつめの匂いがするが、昆虫にとってはとても抜群に美味しい匂いだと思われる。
今年は南天とユキツバキにからむヤブガラシをそのままにしておいて観察してみたが、からみつかれる方はたいへんだろうなと思う。
もちろんチョウばかりではなくハナカミキリの仲間も来ているしコガネムシの仲間も来る。
みんなお揃いのレストランになっている。家の周りにそんな場所が一ヵ所あってもバチは当たらないだろう…。
2024年9月7日号
苗場山麓で見られる常緑のスゲは、ホソバカンスゲ、ヒメカンスゲ、ヒロバスゲなど7種ほどある。
花期は春から初夏にかけてで、どれもよく似た地味な花を咲かせる。葉は線形で、幅に違いはあるものの見分けるのが面倒くさい。
こんな厄介なスゲの中からそれぞれの特性を見極め、暮らしに取り入れられてきたものがある。
ミヤマカンスゲ(ヒロロ、写真左)の葉は軽くて丈夫、水をはじく性質から、雪や雨時の雨具であるミノの材料とした。採取時期は新葉が程よく成長した8月から秋の彼岸ころとされた。この地域ではよく見かけ、沢沿いなどの少し湿った所で群生していることが多い。
コシノホンモンジスゲ(タツノケ、写真右)の葉も水に強い性質から、旦那衆の雨具であるケミノの材料となった。採取時期は7月下旬から8月上旬である。日当たりのいい雑木林の斜面などで見かける。
自然と向き合ってきた先人の見識からは学ぶべき事ばかりだ。
2024年8月31日号
苗場山麓ジオパークのガイド仲間から、高野山の砂利道で鉄道のレールを見つけたということで、早速調査に出かけました。場所は穴藤から巻揚機で高野山に上がって調整池に向かう途中の作業道の脇で、捻じ曲げられた状態で一部は地面に埋もれていました。鉄が貴重だった戦中にレールが供出されずに残っていたのは奇跡です。
高野山には大規模なダム工事もあり、巻揚からダム現場、そこから前倉トド(結東原)までの軌道跡は、地形的に現在の道路とほぼ同じルートを通ったものと思われます。
此処で分からないのが亀岡あたりから高野山に上がったルートです。古い地図には加用から百ノ木あたりから巻揚機があり、横根を通って高野山に上がったようですが、そこが何処なのか? また志久見川ルートに電車または汽車が実際走ったのか? 志久見川沿いの方より情報をお待ちしております。
2024年8月24日号
JR飯山線足滝駅周辺を散策していると、どこかへ続くであろう山道を見つけた。
特に看板もなく、どこに続くかもわからないまま険しくはないが誰もいない道を歩いていくと一枚の看板を見つけた。
そこには「足滝・穴山トレッキングコース」と書かれていた。
この道の終着点を見つけ少しほっとしながら、本当に穴山集落まで続くのか確かめたくなり、登り続けることにした。
歩き続けると写真の石像にたどり着く。
よく見ると観音様とその両側には「左ハやま道」「右ハせん光し松之山」と彫られているように見えた。
帰ってから少し調べるとこれは馬頭観音道標というようで、旅人が道に迷わないよう、旅の無事を祈る街道によくある石仏らしいことが分かった。
津南町から松之山、もしくはそれ以上歩いていたことを想像すると昔の人はすごいなと感心するとともに、自動車に頼りすぎていることに反省した。
この後私は無事穴山集落にたどり着き、このトレッキングコースは穴山から足滝駅に向かう道だということを教えてもらい、またひとつ津南町を知ることができた喜びを感じながら帰路につくのでした。
2024年8月17日号
とある場所での撮影だが、良くこんな木の上にそれもあちこちに上手く巣を作るもんだと感心する。
アオサギの他にもカワウの巣が急斜面のあちこちにあって、よくこんな足場の無いようなところに巣が作れるもんだと思わず感心するほどです。
けど、これだけ狭い場所に巣を作るとなると巣作りの時の場所争いがあちこち勃発してもおかしくないような気もしますよ。
巣材を隣の巣から巣の持ち主が居ない時にちょっと黙って頂いたりと…あるいは急斜面だから上から落ちてきた枝を巣材にできるし、とにかくにぎやかな団地になっています。
2024年8月10日号
真夏、暑さでへばっている多くの植物を尻目に一際元気なのがクズである。道端や林縁などで我が物顔で蔓を伸ばしている。
繁殖力旺盛なこの蔓草は、人にとって厄介者だが、有用な存在でもある。
春先の若芽は山菜として。採っても採っても芽出してくるから長く利用できる。
梅雨時に成長した新蔓からは、光沢のある繊維が採れる。武士の裃や着物などの生地となった。
葉は牛馬の栄養たっぷりの飼料。乾燥させたものは藁などとの物々交換品であった。
夏に咲く花(写真)は薬に。乾燥品を煎じて服用すれば二日酔いに効く。肥満防止成分も含まれている。
秋、木質化した蔓はテゴなど物入れの材料に。縄の代用として冬囲い時などに利用された。
冬、地下茎には良質なデンプンが貯蔵される。「葛粉」である。細かく刻んで乾燥させたものが「葛根」で漢方薬に配合されている。
人の暮らしと深く結びついてきたクズだが、この先関係はどうなっていくのやら…。
2024年8月3日号
苗場山麓ジオパークで復活した中津川左岸のトレイルコースの中で、今回は大赤沢の対岸の秋山林道から矢櫃村跡までのコースを歩きました。
ブナ林を下るコースは快適に整備され40分ほどで矢櫃村跡に到着。村跡には天明の飢饉で途絶えた供養塔と住居跡とみられる石垣が残っているだけで、そこでどのような暮らしをしていたのか、その形跡は深い森に飲み込まれていました。
そこから少し下ると矢櫃橋があり、現在の橋跡と100年程前の写真を見比べ、橋が何処にかかっていたのか見回すと、川の流れは変わっていますがほとんど同じ位置に架かっていたようです。
古い写真は小赤沢秋山館発行のもので、要約すると「この断崖清流を眺めればどんな人でも爽快で歓声を上げない人はいないだろう。歴史の言い伝えに寄ればこの岩の洞穴の中に内大臣は弓矢と甲冑を秘蔵したとゆうのでこの呼び名がある」と書かれています。
苗場山麓ジオパークの中津川左岸ルートの終点にしては対岸の大赤沢に渡れないのが残念です。徳島県祖谷のかずら橋などは世界から観光客が訪れていますので、残された鉄骨製の塔やワイヤーを元にちょっと工夫をしてスリル満点の橋にすれば小赤沢までの歴史ある旧道復活と新たな観光資源となることでしょう。
2024年7月27日号
津南町にある森林セラピー基地にて野イチゴを見つけました。これはナワシロイチゴというキイチゴの仲間で野山の林縁のみならず、道端の藪など日当たりのいいところに生息しています。
5月から7月にかけてラズベリーに似た赤い実をつけ、「苗代」を作るころに果実が熟すことから、ナワシロイチゴと名付けられたそうです。
そのままでもジャムにしてもおいしく食べることができますが、すぐそばにある自然の中に食べ物があるということは改めて良いところに住んでいるな、と感じる瞬間でもあります。
移住した最初の頃は「花」や「草」ということだけで、名前も何もわかりませんでしたが、少しずつ植物の知識を増やしていくと、本当に多くの草花が山や林に生息していることがわかります。
特に葉の形や香り、樹木の質感などは一つ一つ特徴的で、こんなにも違うのかと驚くと同時に緑豊かな自然に囲まれて生活ができるこの地域が本当に贅沢な場所だと感じています。
これからの時期はブナ林がとても涼しく感じることのできる季節です。ぜひ、森林セラピー基地や近くの森に足を運んでみてはいかがでしょうか。
2024年7月20日号
あるホテルから「ヤモリが数年前から住んでいて夏場は良く出てくるよ」って連絡をもらった。
最初は半信半疑だったが現物を確認するとやはりニホンヤモリそのもの…普通こんな豪雪地の山間部にはいないと思っていたのだが。
新潟県内では柏崎や出雲崎、糸魚川などの古くから商船が出入りする港町などでは船荷などに入り込んであちこちの港などに運び込まれる事が多いと言う。
ではなぜこんな豪雪地にいたかと思うと、予想ではあるが、ホテルのリフォームなどで大量の資材が運び込まれた時にその中にいたのではないかと思う。
夜行性の動物で人家など人の生活圏にすみつき、天井や壁などに張り付いて生活しているのが見られる。特に夜間にガラス窓に集まる昆虫などを捕食して生活している。人とうまく共存していて野外では姿を見るのまれである。
漢字で書くと「家守」と書き、家を守る動物としても有名で、見つけてもそっとしておいてあげたい。
2024年7月13日号
どちらもマツブサ科の蔓性の樹木である。種子の他に、地下茎を這わせて繁殖する。
出会いはいつも深山だが、苗場山麓では超がつくほどの希少種だ。
見つかるのは若木が多く、蔓を伸ばして絡みついているものは少ない。花を咲かせる株など尚更だ。
花期は6~7月で、雌花と雄花があり、別々の株につく。雄株の方が多いが、雌雄同株を見かけたこともある。同株で性転換するとも言われているが…。(写真はマツブサ雄株・左、チョウセンゴミシ雌株・右)。
花は似ているが、房状に成長する果実の色は全く違ってくる。マツブサは青黒色に、チョウセンゴミシは赤色に熟すのだ。
蔓や果実には薬効があることが知られている。茶や入浴剤として利用すれば、血行促進、強壮などの作用がある。
名は、蔓に松脂のような匂いがあることからと、朝鮮から種子を輸入し、果実に甘、苦など5つの味があること(五味子)から。
2024年7月6日号