この季節にいるキイロスズメバチ、もう巣から飛び出していて単独行動している。働き蜂はもう死滅しているのでおそらく受精卵を持った女王蜂。
働き蜂と比べても腹部がふっくらと大きくて一回り大きく見える。これから厳しい冬をで乗り越えて春になるとたった一匹で巣作りを始める事になるのだが。
こんな時期の蜂だからよほどの事がない限り刺さないと思う。女王蜂は卵をもっているので余計な事はしないはずだ。
これから軒下や、飛び出した古い巣や木の隙間などで越冬することになるが、数ヵ月も餌を取らないで過ごすのだから凄い生命力だと感心する。
なんとなく安心できる時期のスズメバチだからよく観察も可能だ。カメラを数センチまで近づけても威嚇はしないがこちらをじっと見ている。
もちろん雪国では他の蜂類もこの時期は受精卵持った女王蜂のみだからゆっくりと見れると思う。 ただ洗濯物の中にいたら要注意ですが…。
2023年12月2日号
小学校の頃から憧れていた、美容関係の仕事。自宅にネイルサロン『爪屋』を2022年2月22日、自身が30歳になる節目にオープンし、好きなことを生業とする挑戦が続いている桑原藍さん(31、十日町市北新田)。「30歳からのスタート、このサロンと一緒に成長していきたい。
2023年12月2日号
「何をしているのか」、この国の政治の現状から感じる言葉だろう。「どうするのか」、世界最大級の原発を抱える新潟県の人たちの思いだろう。「いったい、どうなっているの」、今週末に国際コンクールと名が付くイベントを開く津南町の人たちの思いだろう。国内外から3千人余が来町し、米どころ津南を世界に発信する、来場による経済効果も大きい、はずだった。だが、余りにもお粗末な事態が明らかになった。
本紙記事が実態だ。3千人といえば、津南町の宿泊施設すべてのキャパシティ(宿泊可能数)の4倍強に匹敵する数だ。国際コンクールの名を冠する一大イベント、その宿泊先は当然地元、と思ったのが大間違いだった。開催まで2週間を切った段階で、実態が明らかになった。その多くが町外宿泊という事実が判明した。これはいったいどういうことか、宿泊関係者は疑問を通り越し、怒りに変わっている。当然だろう。
ここまでのプロセスは、立場によりその言い分は違うだろうが、先ずは現実を直視すべきだ。宿泊関係者は落胆し、感じているのは取り組む行政への「なさけなさ」だろう。なぜ中間チェックできなかったのか、そもそも宿泊振り分けを委託した業者とどういう契約をしたのか、いや、契約も覚書も交わしていなかった。なぜ、なぜと疑問符は膨らむばかりだ。誰の責任というより、そもそも誘致した津南町はいままで「なにをしていたのか」だろう。
今年産米の等級落ちという農業経済が大きな打撃を受けている現実。その沈滞ムードを国際大会で払拭する面も、この週末のイベントはあったのではないか。大会は計画通り進むだろうが、その最終日、主催地の津南町は国内外に向けて何をアピールするのか。足元がぐらつくなかで、その言葉にどれほど力が込められるのか。実行委員長、桑原悠町長の言葉に注目したい。
2023年12月2日号
現代アートによる地域活性化構想が始まった1996年、そして2000年の第1回初開催となり、25年かけ世界的な現代アート展に成長している「大地の芸術祭」。当初は受付に1人しか来ない、バスは空気を運んでいるような状況もあったが、新型コロナ禍前の2018年第7回は54万人余り(会期51日間)、延期開催となった2022年第8回は57万人余(145日間、火水休)が来訪。そして新型コロナ後、行動規制のない「第9回展」は来年7月13日~11月10日(87日間、同)の開催が決まっている。
2023年11月25日号
ネイチャーフォトを学ぶ―。夏休みに苗場山麓ジオパークのフォトツアーに参加した十日町高と十日町総合高の写真部の作品指導会が十日町高で開かれ、フォトツアーで講師を務めた日本現代写真家協会所属で苗場山麓ジオパークフォトコンテストの審査員を務める飯塚英春さんと戸谷英利さんが作品指導を行った。生徒たちは「主題の切り取り方など、とても勉強になりました」と話していた。
2023年11月25日号
農産物などの価値を高めて農林漁業者の所得向上を目的とする「6次産業化」。日本食糧新聞社が主催する表彰制度「第8回6次化大賞」審査が9日、新潟市で行われ、35事業者が出品するなか十日町市中条地区が拠点の農業株式会社ウーマン・ファーマーズ・ジャパン(ウーファ)が製造するサツマイモの加工品「雪の日の丸干し芋」がグランプリを獲得。併せて協賛企業特別賞のナチュレ片山賞も受賞した。
2023年11月25日号
半年近くも経ってから気が付くとは、お粗末な話だ。
確か6月頃だったと思う。ブルーインパルスの華麗な航空ショーがテレビで放映された。昭和39年の戦後復興をアピールした東京オリンピック。雨が降り続いた後の見事な日本晴れの開会式。ブルーインパルスの見事な五輪のマークが大空に描かれた。近年になって聞いた話では、事前の演習が出来ずぶっつけ本番だったとか。強烈な美技に衝撃を受け、誇らしく感動した。
所属基地でコロナ後、久しぶりに観客を招いての航空ショーが開催された。まるでファンミーティングの様な華やかさで、いやが上にも高揚感が漂う。過去のそれより更に高度な美技が次々と披露された。
そしてその翌月、私も注目している俳優さんが潜水艦を舞台に映画を撮影中だという。防衛省? 海上自衛隊? は本物の潜水艦を撮影に使用する協力をしたそうな。国家機密に触れるぎりぎりまで、撮影に協力してくれたので、迫力のあるシーを撮ることが出来、見応えのある映画になったとのことだった。
そして9月、参加している「九条の会」の学習会があって、沖縄の現状を知ることができた。現在は禁止されてしまったドローンによる映像を見た。かねて付き合いのあった沖縄の映画会社の、監督さん自ら映像をもって、全国をキャラバンして映写会をしておられるという。
鹿児島以南の先島諸島から沖縄本島までを琉球弧という。その各島に対中国を意識した基地が出来上がっているという事だった。父が沖縄で戦死したので、戦跡にしか目が行っていなかったのも、暢気すぎたと反省した。
死に物狂いで抵抗する人たち。圧倒的力で退けながら、どんどん計画を完成させていく国家権力。頭をガーンと殴られたような衝撃だった。
正に弧を描いて中国に向かい対峙している。アメリカに絶対の協力をするのが現政権の命題だが、このほど米大統領と中国の国家主席が会談し、にこやかに握手をしている映像を見たばかり。日本は良いように使われているのを、ご存じないのだろうか?
耳を塞がれ・目を奪われていては、ならないのだ。ぼんやり頭のおばあさんには理解できないほど世の中は複雑巧妙にできているのだろう。「電話de詐欺」の回にも書いたが、人を騙すより騙される方が良いと教わったが、今は騙されるほうが愚かだと言われる。
戦後の貧しさからは、少し経済力もある国らしいが、反して、どんどんやさしさと、寛容さが少なくなっていく気がする。
2023年11月25日号
晩秋のブナ林で、足元にオレンジ色の粒を見つけた。径3ミリほどだが鮮やかな色で人目を引く。細い柄が地中に伸びていることからキノコのようだ(写真左)。
「もしかして…」と、柄を切らないように慎重に地面を掘ると落葉の塊に辿りつく(写真右)。帰ってから落葉を取り除くと白い菌糸に覆われた正体不明の幼虫が現れた。冬虫夏草との久しぶりの出会いだった。
冬虫夏草とは虫の死骸から生えるキノコの仲間である。とりつくのはトンボやカメムシの成虫、セミやコガネムシの幼虫などいろいろだ。恐ろしいのは、生きている虫にとりつき殺した上で体内の養分で成長するところだ。
中国では冬虫夏草は漢方薬の原料のひとつ。コウモリガ類の幼虫についたものは高値で取引されている。
冬虫夏草はとにかく小さい。写真のものは地上部が6ミリほど、全体でも長さ4センチほどしかない。目立たないように暮らしているにも係わらず結実部(先端の胞子をつくるところ)の目立つオレンジ色にはどんな意味があるのだろう。
2023年11月25日号
JR東は、赤字路線の実態を昨年に続き公表した。飯山線の数値は深刻だが、だから…とはならない取り組みが沿線には必要だ。昨年に続く赤字路線の公表に、沿線自治体はどう動き、何を発信するのか。目の前に提示され、示された現実は看過できないだろう。だが、昨年の沿線自治体の対応を見ると、心もとない。JRに対する沿線の姿勢が見えないからだ。
公表数値によると、飯山線で深刻度が高いのが「津南駅—戸狩野沢温泉駅」である。この区間、沿線の利用人口がそもそも少なく、県境を走る飯山線の中でも、特に利用人口が少ない地域である。JRによるこの区間設定がどうなのかの疑問はあるが、この区間をピックアップし、その営業係数の深刻度を大きくアピールしている。
今後、毎年公表する方針なら、これは「雰囲気づくり」ではないのか。「これだけ赤字なら…仕方ない…」、そんな言葉を待っているのか、と懐疑心が湧いてくる。だからこそ、沿線自治体の反応が必要だ。栄村・津南町・十日町市、昨年の公表後、「説明に来てほしい」とJR東に要望したのか。要望したなら、JR東は地元に説明に来たのか、それさえも沿線住民には知らされず、今回再び「赤字路線」として飯山線が全国ニュースで流される現実は、沿線住民として納得できないことだ。
飯山線に関係しては、飯山線沿線自治体連絡協議会という組織がある。会長は飯山市・江沢市長だ。今回の公表にどう反応し、どう動くのか。さらに、どう沿線住民に説明するか、どう飯山線を考えていくのか、などなど共有すべき課題は多い。このまま毎年の公表を看過するなら、事態は確実に、「その方向」に進むだろう。
飯山線。千曲川、信濃川に寄り添うように走る鉄路だ。いわば『千曲信濃ライン』、郷愁を誘う名称もいい。そろそろ、腰を上げる時ではないか。
2023年11月25日号
津南町議会は改選後の初議会を16日開き、議会人事を決めた。議長には前議長の恩田稔氏(72・5期)、副議長には江村大輔氏(39・2期)を選出した。議会運営の要の議会運営委員長は最ベテランの吉野徹氏(75・8期)が就任。
2023年11月18日号
この季節にいるキイロスズメバチ、もう巣から飛び出していて単独行動している。働き蜂はもう死滅しているのでおそらく受精卵を持った女王蜂。
働き蜂と比べても腹部がふっくらと大きくて一回り大きく見える。これから厳しい冬をで乗り越えて春になるとたった一匹で巣作りを始める事になるのだが。
こんな時期の蜂だからよほどの事がない限り刺さないと思う。女王蜂は卵をもっているので余計な事はしないはずだ。
これから軒下や、飛び出した古い巣や木の隙間などで越冬することになるが、数ヵ月も餌を取らないで過ごすのだから凄い生命力だと感心する。
なんとなく安心できる時期のスズメバチだからよく観察も可能だ。カメラを数センチまで近づけても威嚇はしないがこちらをじっと見ている。
もちろん雪国では他の蜂類もこの時期は受精卵持った女王蜂のみだからゆっくりと見れると思う。 ただ洗濯物の中にいたら要注意ですが…。
2023年12月2日号
小学校の頃から憧れていた、美容関係の仕事。自宅にネイルサロン『爪屋』を2022年2月22日、自身が30歳になる節目にオープンし、好きなことを生業とする挑戦が続いている桑原藍さん(31、十日町市北新田)。「30歳からのスタート、このサロンと一緒に成長していきたい。
2023年12月2日号
「何をしているのか」、この国の政治の現状から感じる言葉だろう。「どうするのか」、世界最大級の原発を抱える新潟県の人たちの思いだろう。「いったい、どうなっているの」、今週末に国際コンクールと名が付くイベントを開く津南町の人たちの思いだろう。国内外から3千人余が来町し、米どころ津南を世界に発信する、来場による経済効果も大きい、はずだった。だが、余りにもお粗末な事態が明らかになった。
本紙記事が実態だ。3千人といえば、津南町の宿泊施設すべてのキャパシティ(宿泊可能数)の4倍強に匹敵する数だ。国際コンクールの名を冠する一大イベント、その宿泊先は当然地元、と思ったのが大間違いだった。開催まで2週間を切った段階で、実態が明らかになった。その多くが町外宿泊という事実が判明した。これはいったいどういうことか、宿泊関係者は疑問を通り越し、怒りに変わっている。当然だろう。
ここまでのプロセスは、立場によりその言い分は違うだろうが、先ずは現実を直視すべきだ。宿泊関係者は落胆し、感じているのは取り組む行政への「なさけなさ」だろう。なぜ中間チェックできなかったのか、そもそも宿泊振り分けを委託した業者とどういう契約をしたのか、いや、契約も覚書も交わしていなかった。なぜ、なぜと疑問符は膨らむばかりだ。誰の責任というより、そもそも誘致した津南町はいままで「なにをしていたのか」だろう。
今年産米の等級落ちという農業経済が大きな打撃を受けている現実。その沈滞ムードを国際大会で払拭する面も、この週末のイベントはあったのではないか。大会は計画通り進むだろうが、その最終日、主催地の津南町は国内外に向けて何をアピールするのか。足元がぐらつくなかで、その言葉にどれほど力が込められるのか。実行委員長、桑原悠町長の言葉に注目したい。
2023年12月2日号
現代アートによる地域活性化構想が始まった1996年、そして2000年の第1回初開催となり、25年かけ世界的な現代アート展に成長している「大地の芸術祭」。当初は受付に1人しか来ない、バスは空気を運んでいるような状況もあったが、新型コロナ禍前の2018年第7回は54万人余り(会期51日間)、延期開催となった2022年第8回は57万人余(145日間、火水休)が来訪。そして新型コロナ後、行動規制のない「第9回展」は来年7月13日~11月10日(87日間、同)の開催が決まっている。
2023年11月25日号
ネイチャーフォトを学ぶ―。夏休みに苗場山麓ジオパークのフォトツアーに参加した十日町高と十日町総合高の写真部の作品指導会が十日町高で開かれ、フォトツアーで講師を務めた日本現代写真家協会所属で苗場山麓ジオパークフォトコンテストの審査員を務める飯塚英春さんと戸谷英利さんが作品指導を行った。生徒たちは「主題の切り取り方など、とても勉強になりました」と話していた。
2023年11月25日号
農産物などの価値を高めて農林漁業者の所得向上を目的とする「6次産業化」。日本食糧新聞社が主催する表彰制度「第8回6次化大賞」審査が9日、新潟市で行われ、35事業者が出品するなか十日町市中条地区が拠点の農業株式会社ウーマン・ファーマーズ・ジャパン(ウーファ)が製造するサツマイモの加工品「雪の日の丸干し芋」がグランプリを獲得。併せて協賛企業特別賞のナチュレ片山賞も受賞した。
2023年11月25日号
半年近くも経ってから気が付くとは、お粗末な話だ。
確か6月頃だったと思う。ブルーインパルスの華麗な航空ショーがテレビで放映された。昭和39年の戦後復興をアピールした東京オリンピック。雨が降り続いた後の見事な日本晴れの開会式。ブルーインパルスの見事な五輪のマークが大空に描かれた。近年になって聞いた話では、事前の演習が出来ずぶっつけ本番だったとか。強烈な美技に衝撃を受け、誇らしく感動した。
所属基地でコロナ後、久しぶりに観客を招いての航空ショーが開催された。まるでファンミーティングの様な華やかさで、いやが上にも高揚感が漂う。過去のそれより更に高度な美技が次々と披露された。
そしてその翌月、私も注目している俳優さんが潜水艦を舞台に映画を撮影中だという。防衛省? 海上自衛隊? は本物の潜水艦を撮影に使用する協力をしたそうな。国家機密に触れるぎりぎりまで、撮影に協力してくれたので、迫力のあるシーを撮ることが出来、見応えのある映画になったとのことだった。
そして9月、参加している「九条の会」の学習会があって、沖縄の現状を知ることができた。現在は禁止されてしまったドローンによる映像を見た。かねて付き合いのあった沖縄の映画会社の、監督さん自ら映像をもって、全国をキャラバンして映写会をしておられるという。
鹿児島以南の先島諸島から沖縄本島までを琉球弧という。その各島に対中国を意識した基地が出来上がっているという事だった。父が沖縄で戦死したので、戦跡にしか目が行っていなかったのも、暢気すぎたと反省した。
死に物狂いで抵抗する人たち。圧倒的力で退けながら、どんどん計画を完成させていく国家権力。頭をガーンと殴られたような衝撃だった。
正に弧を描いて中国に向かい対峙している。アメリカに絶対の協力をするのが現政権の命題だが、このほど米大統領と中国の国家主席が会談し、にこやかに握手をしている映像を見たばかり。日本は良いように使われているのを、ご存じないのだろうか?
耳を塞がれ・目を奪われていては、ならないのだ。ぼんやり頭のおばあさんには理解できないほど世の中は複雑巧妙にできているのだろう。「電話de詐欺」の回にも書いたが、人を騙すより騙される方が良いと教わったが、今は騙されるほうが愚かだと言われる。
戦後の貧しさからは、少し経済力もある国らしいが、反して、どんどんやさしさと、寛容さが少なくなっていく気がする。
2023年11月25日号
晩秋のブナ林で、足元にオレンジ色の粒を見つけた。径3ミリほどだが鮮やかな色で人目を引く。細い柄が地中に伸びていることからキノコのようだ(写真左)。
「もしかして…」と、柄を切らないように慎重に地面を掘ると落葉の塊に辿りつく(写真右)。帰ってから落葉を取り除くと白い菌糸に覆われた正体不明の幼虫が現れた。冬虫夏草との久しぶりの出会いだった。
冬虫夏草とは虫の死骸から生えるキノコの仲間である。とりつくのはトンボやカメムシの成虫、セミやコガネムシの幼虫などいろいろだ。恐ろしいのは、生きている虫にとりつき殺した上で体内の養分で成長するところだ。
中国では冬虫夏草は漢方薬の原料のひとつ。コウモリガ類の幼虫についたものは高値で取引されている。
冬虫夏草はとにかく小さい。写真のものは地上部が6ミリほど、全体でも長さ4センチほどしかない。目立たないように暮らしているにも係わらず結実部(先端の胞子をつくるところ)の目立つオレンジ色にはどんな意味があるのだろう。
2023年11月25日号
JR東は、赤字路線の実態を昨年に続き公表した。飯山線の数値は深刻だが、だから…とはならない取り組みが沿線には必要だ。昨年に続く赤字路線の公表に、沿線自治体はどう動き、何を発信するのか。目の前に提示され、示された現実は看過できないだろう。だが、昨年の沿線自治体の対応を見ると、心もとない。JRに対する沿線の姿勢が見えないからだ。
公表数値によると、飯山線で深刻度が高いのが「津南駅—戸狩野沢温泉駅」である。この区間、沿線の利用人口がそもそも少なく、県境を走る飯山線の中でも、特に利用人口が少ない地域である。JRによるこの区間設定がどうなのかの疑問はあるが、この区間をピックアップし、その営業係数の深刻度を大きくアピールしている。
今後、毎年公表する方針なら、これは「雰囲気づくり」ではないのか。「これだけ赤字なら…仕方ない…」、そんな言葉を待っているのか、と懐疑心が湧いてくる。だからこそ、沿線自治体の反応が必要だ。栄村・津南町・十日町市、昨年の公表後、「説明に来てほしい」とJR東に要望したのか。要望したなら、JR東は地元に説明に来たのか、それさえも沿線住民には知らされず、今回再び「赤字路線」として飯山線が全国ニュースで流される現実は、沿線住民として納得できないことだ。
飯山線に関係しては、飯山線沿線自治体連絡協議会という組織がある。会長は飯山市・江沢市長だ。今回の公表にどう反応し、どう動くのか。さらに、どう沿線住民に説明するか、どう飯山線を考えていくのか、などなど共有すべき課題は多い。このまま毎年の公表を看過するなら、事態は確実に、「その方向」に進むだろう。
飯山線。千曲川、信濃川に寄り添うように走る鉄路だ。いわば『千曲信濃ライン』、郷愁を誘う名称もいい。そろそろ、腰を上げる時ではないか。
2023年11月25日号
津南町議会は改選後の初議会を16日開き、議会人事を決めた。議長には前議長の恩田稔氏(72・5期)、副議長には江村大輔氏(39・2期)を選出した。議会運営の要の議会運営委員長は最ベテランの吉野徹氏(75・8期)が就任。
2023年11月18日号